《序章》

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通っている学校から海まではおよそ15分程 確かに学校に近いことには違いないが学生たちの主な通学手段である電車やバスの停留所は海とは正反対の方向にある 加えてそこまで行くのにも15分程かかるので授業終わりの放課後にわざわざ、部活動に所属している生徒は尚更海を見ようと思わない そのんなわけで元々海沿いに家を構えている生徒かよっぽどの暇人しかこちら側まで出てこないのだ 「しっかしホントに綺麗な景色だな~! いいよな~秋光は。 こんな夕焼けを眺めながら毎日家に帰れるんだもんな」 「まあ、な。 でも海沿いの家も結構大変なんだぜ? 潮風のせいで門なんてかなり錆びついてるし雨風強い日の後なんか窓ガラスがベッタベタになるからな」 羨まし気な視線を向けながら呟く北爪冬矢(きたづめ とうや)に秋光は苦笑混じりにそう答える 「それでも羨ましい……」 そう言って再び海に目を向けた冬矢は再度その口から感嘆のため息を漏らした そして二人のそんな会話を聞いて夏鈴、春奈の女性陣はクスッと笑みを漏らすのであった ━━━━━━━ ━━━━━ ━━━ ━
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