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帰り道、なんだか俺はいつもと違って無言になってしまって、やっぱりさっき言ったこと後悔してんだなーって空を見上げて思う。
「カイー」
「なんだ?」
「カイは好きな人とかいないの?」
「は?何言ってんだいきなり」
俺は平然を装って、呆れ顔で敦子を見る。その敦子の顔はなんだか真剣で、幼なじみである俺は嫌な予感しかしなかった。
「あたしね、好きな人出来たの…」
「へー…誰よ?」
「宮澤くん…」
ほらな?ずっと一緒に居るとわかるんだよ、敦子がどんなことを言うか。
だけどよりによって宮澤かよ…。
俺の勝ち目ゼロじゃん。
なんてハナから勝負する気がない俺が言うのもなんだけど。
だって宮澤はイケメンで、優しくて、俺なんかより背が高くて…敦子にはぴったりかもな。
「そっか…」
俺はそう応えることしかできなかった。
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