いつも隣で

5/6
658人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
帰り道、なんだか俺はいつもと違って無言になってしまって、やっぱりさっき言ったこと後悔してんだなーって空を見上げて思う。 「カイー」 「なんだ?」 「カイは好きな人とかいないの?」 「は?何言ってんだいきなり」 俺は平然を装って、呆れ顔で敦子を見る。その敦子の顔はなんだか真剣で、幼なじみである俺は嫌な予感しかしなかった。 「あたしね、好きな人出来たの…」 「へー…誰よ?」 「宮澤くん…」 ほらな?ずっと一緒に居るとわかるんだよ、敦子がどんなことを言うか。 だけどよりによって宮澤かよ…。 俺の勝ち目ゼロじゃん。 なんてハナから勝負する気がない俺が言うのもなんだけど。 だって宮澤はイケメンで、優しくて、俺なんかより背が高くて…敦子にはぴったりかもな。 「そっか…」 俺はそう応えることしかできなかった。 _
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!