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「1人では無いです、先輩。」
いつから居たのか、僕の斜め裏からふと小さな腕が伸びてきて、目の前へこれまた小さな封筒が置かれた。
「また大島か、君は駄目って言ったじゃないか」
そこに立っていたのは、今年から入ってきた後輩、大島 月奈(おおしま つきな)だった。
今、部員が増えるのは嬉しい事何だけど…
「わざわざ非常識は必要だと考えてる子がこの部活に入る意味ないじゃないか」
そうこの部活が始まってからの異端児大島くんは、あろう事か入部届けに名前欄以外を無視して大きくまるっこい字で
『非常識は必要なんです。』
と書かれていた。こればかりは苦笑いしか出なかったね。
「それが必要だからこそ、この部活の人達に教えに来たのですよ。まぁ部員は1人でしたが」
淡々と地味に刺さる事をさらっと無表情で言いなさった。どうやら大島は基本無表情がデフォルトなのだ。
「そんな360度して何処か飛んでいくくらいここに合わない理由で入れると思うかい?」
そうは言ったが、この台詞実は5回目。大島は1回頷きはぁと短く小さいため息をついた。
「そう言うなら前から言っていますが、近くに出ると噂の心霊スポットがあるので行くだけ行こうと行っているじゃないですか。」
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