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一瞬2人の間の時間が止まって、自然と僕の顔が引きつった笑顔を見せる。
一筋、こめかみに暑さからか、また別の物か汗が垂れるのを感じぞわぞわと背中を何かが走る錯覚を感じる。
「い、いやぁそれには色々と事情があって……ね?」
同意を求めるべく、引きつった笑顔を何とか収め自分の動揺を悟られないよう呟く。
「それ前と同じ事ですよ。その事情とやらを教えて下さい。」
やはりかと引きつった笑顔が3割り増し程してギギギとぎこちなく大島の方へ顔を向けた。
「えーと、部費の予算があって「徒歩で行けます」昔からそーゆうのはしないという部活の方針がね「冒頭でしたと言う事では?」まずちゃんとした準備もしていな「こちらでもう済ませてありますが」いので………………ね?」
おーう。見事な返しだね。
「「……………」」
再び沈黙が支配し、夏の初めを思わせる鬱陶しい蝉の鳴き声がジーワジーワと狭い部室を謳歌した。
「………ね?」
「……………」
この後、最後の同意も虚しく心霊スポットへの探索を余儀なくされた。
なんか理不尽だ。
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