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「な、な?何もないだろう?お、大島君」
暗く、あまり周りの見えない廊下でゆらゆら歩幅に合わせて動く懐中電灯を頼りに歩く途中、そんな事を言ってみせた。
「そうですね、所詮噂ですか」
無慈悲にも気の変わらない内にと連れらて来たのは昔からある使われていない小学校だ。
理科室の骸骨が動くやら、音楽室の絵の目が動くなどある程度有名になっていた(?)噂は全てガセだった。
「と、とゆう訳なんだし、お、大島君、そろそろ帰ってもいいと思うよ?うん」
「そうですね、そろそろ」
───ガタンッ!
「「………………」」
おーう。帰宅ブレイーク。
帰ると言った矢先奥の方から何か音がして、2人をビビらせるには十分でどちらとも動けず、何度目かの沈黙。
「なんでしょうふぁ」
次にあの大島が噛んでしまった事により、更なる沈黙、そして気まずい。非常に。
「……もしかして、大島もこーゆうの恐かったり?」
「そんなわけないでしゅ、私は決して怖いといふ……行きましょう」
もごもご呟いた後、躊躇いながら大島はその音へした方へと歩いていく。僕をつねりながら。
「痛いっ!これって理不尽じゃない!?」
ほぼ引きずらせる感じで見えた案内図の方向と歩いていく方向が同じなのは、
トイレだった。
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