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「ちょーっと待ちなさいよぉっ!」
急な声の声量にびっくりして肩を竦めると、次は心地よく廊下を滑り、僕たちの前に止まった。
「あんた!目が合ったんだから悲鳴くらいはあげなさいよ!拍子抜けしちゃうじゃない!」
どうやらご用は大島にあるらしく、その指を突き立てられた大島は珍しくあう、あうと取り乱している。
暗くてよく分からないが、自分にとって可愛い部類に入る端正な顔つきだと言う事が分かった。
「と、ところで君こそ誰?」
横を見るとまだあうあう状態、大島は使い物にならないので僕が、怒る怒る聞いてみる。
「そんなの決まってるじゃない!」
………………沈黙。
あれ?ここで何か言うべき所だろ?と思い見ると何やら考え事をしているのか、唸っている。
「えーとね、……そうそう最近ここで出るって噂聞いたから来てみただけ」
そう言って腰に手を当て何か文句あります?と無言の威圧感。
「い、いやぁそう言う訳では……あ!あなたこそなぜあんな所に?」
ぶんぶんと首を振り無言の威圧感から回避、それと同時に話題を逸らした。
「ん?なんか貧弱そうだったし脅かそうかなーって。そんだけ」
「あ、あはは」
……さりげなく腹黒い事が分かったね。
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