運命

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俺は、決心を決め口を開いく 「昔から好きだ…お前が… 好きなんだ」 いろいろ考えたが、気の利いた言葉も思い付かず この言葉が精一杯だった。 恐る恐る李花の顔を見る。 唖然とした顔 やっぱり駄目だったか…。 「本当?」 ピアノに座っているため、必然的に下から見上げる感じになる李花の目線 思わず、ドキッとしてしまう。 「嘘ついてどうすんだよ」 ぶっきら棒に言い、目線を反らす俺。 多分、俺、今赤面している。 「私も… 私も好きっ、道の事が好き」 そう、俯き加減に言う李花 その言葉に耳を疑う俺 反らした目線を再び李花へと向け直す。 窓から差し込む沈みかけの夕日効果かも知れないが 心なしか、彼女の顔が赤く見える。 2人の間にしばしの沈黙が流た。 先に口を開けたのは、俺だった。 「本当に?」 俺の問い掛けに、顔を上げた李花は 「嘘付いてどぉすんだよぉ」 と、ニィーと笑った。 李花の笑顔は、今まで見た中でも一番可愛くて 俺は、いつの間にか李花の唇を奪っていた。 同時に涙を流し始める李花 慌て唇を離し 「ごめんっ嫌だった?」 慌てて謝る俺
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