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李花は、首を横に振った。
「違うの。
折角両想いだったのに…
一緒にいれないから」
肩を上下に震わせながら泣く李花。
そんな李花を見ていたら
自分も切なくなって来た。
俺は、慰める様に李花を抱きしめ
「泣くなよ…
気持ちが離れるわけじゃない。
俺は、どんなに離れてたって
お前が好きだから」
そう、李花の耳元で呟いた。
自然に抱きしめる手に力が入り、口調も強くなる。
自分にも言い聞かせるように。
だが李花の涙は、止る事を知らない様で。
ポロリポロリと、彼女の瞳から溢れ落ちて行った。
いつまでそうやっていたか
暗くなって来たので、泣き止まない李花の手を引き家まで連れて行帰った。
「李花様!
帰りが遅くて心配しましたよ」
中からは、例の怪しげなグラサンが3人程出て来た。
コイツらに李花を渡す方が心配だが
仕方ない
俺は、ソイツらを一睨みし、李花を渡した。
李花は俺に一瞥を送り、グラサン3人に連れられ、家に入って行った。
李花の姿が見えなくなっても心配な気持は、変わらない
だが自分は、無力だ。
何も出来ない
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