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後ろ髪を引かれる思いで、俺は、その場を後にした。
最後まで泣き止まなかった李花の顔が頭から離れない。
だから俺は
その時『指切り』に出る事を決めたのだ。
次の日
学校に李花の姿は、無かった。
すでに明日が『指切り』の日。
準備などが有るのだろう。
日にちが無かったった為
李花は、存分に友達と別れも惜しめなかった。
可哀相に…
クラスは、李花の話しで持ちきりだった。
女子の中には、彼女を羨む者までいる。
『指切り』の賞品に選ばれる事は、とても名誉な事でもあるし
加え勝者は、大抵が強くてカッコイイ奴ばかりだ。
女子達が羨むのも至極当然で、仕方ない事なのだが
やっぱり俺には、そんな彼女を羨む女子達の会話が耳障りで仕方なかった。
前の席が、空いている事も
俺には苦痛に思えてならない。
とてもクラスに居る気には、なれず
休み時間は、ずっと屋上で一人、時間を潰した。
李花の事だけを考えながら。
どうか神よ
俺に彼女を守れる力を下さい。
この指がどうなったってかまわない。
何度も
何度も
心の中で強く願った。
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