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「道(みち)っ!」
可愛い女子の声が俺の名前を呼んでいる。
顔を上げるれば、その少女の可憐な顔が俺を見詰めていた。
俺の顔が、熱くなるのが分る。
「李花(りか)」
李花は、俺の幼なじみ。
漆黒のような黒髪に、丸くて大きな二重の綺麗な瞳
雪のような白い肌に、頬のピンクが鮮やかだ。
唇も桜色に色づいていて…
俺は、李花を友達以上に想っていた。
それが何時からかなんて、もう覚えてない。
「どうした?」
俺は、平然を装い聞き返した。
「どうしたじゃないわよ」
李花は、呆れたように溜め息を付くと
ガクッと、顔を下げた。
「みぃぢぃ」
ドスの効いた声に
俺は、瞬時にヤバイと気付く
サーと血の気が引くのを感じながら、ゆっくりと後ろを振り向いた。
ドアップで鬼の様に怖い顔の女教師が、俺の顔を見下ろしていた。
「せっ、先生…」
そう、俺の担任だ。
眼鏡に厚化粧の顔が近すぎて、香水の匂いが香ってい来た。
春眠暁を覚えずとはよく言ったもので
俺は、いつの間にか授業中に居眠りをしてしまっていたらしい。
「きぃさまぁ~授業を何だと思っているんだ!?」
クドクドクドクド
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