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一時間、丸々全て俺への説教で終わってしまった。
他の皆は喜んでいたが
俺は、災難である。
「もぉ、人が折角起こしてあげたのに!」
授業の終わり、呆れた様に言う李花。
李花は、俺の前の席だ。
六列席の俺が一番後ろ、窓際
窓からは、散り始めた桜の木が見えていた。
「何だよ
だったらもっと早く起こしてくれよな」
軽く怒った様に言い返す俺。
「道が寝てんのが悪いんでしょ」
そう言う李花は、怒った様に顔を反らした。
確かにそれは、そうだ…
自分でも理解しているのだが、素直に謝れず
俺も李花から顔を反らしてしまう
まぁ、こんな感じで
いつも喧嘩になってしまうので俺は、李花に気持ちを伝えられずにいた。
その頃の俺は
李花と一緒に居る事が当たり前で
離れる事なんて無い
そう思っていたんだ。
だが
今日を境に
俺の考えは、音を発てて崩れさる。
そう、この世に不変のモノなど有りはしないのだ。
李花と一緒に下校する帰り道
いくら喧嘩しても、これは日課になってしまっていた。
だからこそ
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