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お風呂場のタイルはひんやりと足裏に心地よい。そんな場合じゃないんですけどねー。私は蛇口をひねって、手のひらを流水に突っ込んだ。
顔を洗って(ちゃんと洗顔フォーム使ったよ!)お風呂場を出たら、気宇がタオルを差し出してきた。親切の固まりみたいな奴にお礼を言って、タオルを受け取る。
「鞄に制服と財布いれといたから」
「んん?リュック?」
「うん。あ、靴下は黒の長いやつでいいんだよな?」
「うん。ありがとうー」
本当に至れり尽くせりだわ。4年ちょい付き合って、同棲までしてて、まだこんなに優しくしてくれる。気宇は本当に優しい。
「ダッシュでスキンケアとメイクだっ」
私はタオルを洗濯物置き場にぶん投げ、部屋に戻って鏡の前に座った。机においた時計を見ると、4時だった。んむ?
「ちょっと、気宇。今が4時なんだけど」
「目が覚めただろ?」
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