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ガラガラ…
「失礼します」
奏は職員室と書かれた部屋へと入っていった。
職員室にはちらほらと教師達が居た。
?「おはよう」
と奏がいる出入り口からすぐ目の前の席に居る女性が挨拶をした。
優しそうな雰囲気が漂う奥ゆかしい人だ。
「あの…山田 香織先生は居ますか?」
奏はその女性に奏を受け持つ担任の名前を聞いた。
「山田 香織は私よ~?」
香織はふふッと可愛らしい微笑みを見せ答えた。
奏「あッ そうだったんですか。はじめまして今日からお世話になります。柊 奏です。」
「あれ? 確か転校生は女の子だったはずなんだけど…」
香織はまじまじと奏を見る。
「学ラン着てるし…男………の子?」
香織は下から上目遣いで奏を見る。
「なんで疑問形なんですか……僕はれっきとした男の子です」
奏はそう答えた。
香織「おっかしいな~…でも君顔中性的だし、女の子にも見えるよ?」
奏「男です…」
「そっか…でも~」
香織はん~と悩んでいる仕草をした。
奏「多分だと思うんですが、僕は転校生じゃ無いですよ。聞いてませんか?一人留学に行っているから入学が遅れるって…」
香織「……あ~忘れてた!!そうだったね!じゃあ君が“空いている席”の子ね」
奏-んなきっぱり言われるとなんか悲しさ通り越して清々しいな…ん?“空いている席”??
「“空いている席”ってなんですか?」
香織「それはね。この学年が入学してからいままで、一つの席…まぁ君が座る席が空いているもんだから、理由の知らない学生達が作った怪談の事よ。入学式前で不良の事故で亡くなった学生がーーみたいな?」
奏「な、なるほど」
「じゃあ転校生の話って勘違いだったのかな…ブツブツ」
香織は他にも聞こえる声で独り言を呟く。
奏-すげぇ…こんなに自分の考え事をこぼせる人始めて見た。
ガラガラッ
奏がそう思っていると、ドアが開く音がした。
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