1人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうかしました?」
心配を装う文面。
サトルにはマサヨシが何をしたいのか初めから分かっていた。
面倒だ。早めにけりをつけよう。
サトルは切り札を出した。
「いえ。ちょっと主人の事を考えると不安になったので……」
「僕でよければ聞きますよ」
「ありがとうございます。マサヨシさんは本当に優しい方ですね」
「そんな事ないですよ。もし、本当にそうなら、妻に逃げられたりしないですから」
その通りだな。
だからこんな単純な罠に引っ掛かるんだ。
「奥様は見る目が無かったんですよ。私なら、マサヨシさんを捨てたりしない」
「えっ?……」
「なんてね。不順ですよね」
打っていて、我ながら笑えた。
「そんな事無いですよ」
馬鹿な文面に喜んでいるまさよしが、サトルには容易に想像出来た。
もう一息だ。
「どうしたんですか?」
サトルは落す体制に入った。
最初のコメントを投稿しよう!