プロローグ

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その昔、集団誘拐という事件があった。 数人の犯人たちが幼稚園バスをジャックし身代金を狙うというものだった。 それなりに名が通っていた幼稚園なので金持ちの子息や令嬢が数人いた。 犯人たちもそこに狙いをつけたのであろう。 しかし、その事件はものの数時間で解決し、犯人たちは警察の手により確保された。 後に、警察は犯人に事情聴取をしたのだが犯人たちは誰もがブツブツと答えるばかりだった。 事件時に乗り合わせていた保育士の言葉はこうだった。 「早期解決したのは犯人の誤算によるものです。そしてそれは、犯人たちがあの7人が乗っていたバスを襲ってしまったからでしょう」 一息ついて最後に言った。 「そして、犯人がその中の一人の男の子に手を挙げてしまったのが惨劇の始まりでした」
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