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「はぁ~」
通学路、まだ間に合うとふんでいる生徒たちが登校している中でため息を一つした。
「ため息が多いな。欲求不満か?」
一応は心配してくれるコロ。
「お前と一緒にするんじゃねぇ」
「なに?私が欲求不満だとでも言うのか?ふん、馬鹿馬鹿しい。いいか私は人間の欲求…つまり、発明欲、オタク欲、性欲このすべてを満ちに満たしている。その私に不満があるというのか!?いいや、ない!!」
言い切りましたよ、この娘。
てか、オタク欲ってなんだ?
「説明しよう。オタク欲とは、オタクが常に欲しているもののことである」
「!?俺のこころを勝手に覗くな!?というか、どうやった!?」
「ふむ、『俺のこころを勝手に覗くな』か……私は誰かに覗かれた覚えも、君の物になった覚えもない。いや、君が望むならなってやらんでもないがな!」
「何を勘違いしてやがる、コノヤロー」
「ヤローという単語には語弊がある。正解はアマだ。先ほどの質問だが、今回徹夜して作ったNo.821『てめえの声は何色だ!?』君。形状は小型インカム。相手から出る微弱な電波を瞬時に解析、分析をして心の声を聞く最新の発明だ」
くだらん説明、長々とどうも。
すぐさまに俺はコロの手からインカムを取り上げた。
「なにをする?!」
「こんなものは人を傷つけるものだからしばらく没収!」
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