唄の月日

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そして私たちは、早々に寮に戻る事にしたのだった。 *** 寮に着くと、みんな私の部屋に寄ってくれた。 「わざわざごめんね?ありがとう」 「それにしても、シグナル君でも風邪を引くんだねぇ?僕は驚いたよ」 「……シラン、私も一応人間なんだけど?」 シランの言動に半ば呆れながら、突っ込みを入れる。彼のこの空気を見事に読まない処は、ある意味で場が和むよ。……本当に、ある意味で。 「コトは、風邪が移ると困るから、今日はミチェットの部屋で休んで?」 「っえ?コトの部屋じゃないの?」 ミチェットはきょとんとした表情で首を傾げて、疑問をぶつけて来た。 っあ!そう言えば、今の私たちの現状を言っていなかったんだっけ?……でも、一から説明するのは、非常に面倒臭い。 だけど、言わない事にはミチェットに理解はしてもらえないだろう。面倒臭くても、言わなくちゃいけないか。
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