唄の月日

11/13
前へ
/492ページ
次へ
私はコトに視線を送ると、それに彼女は気付き笑顔で頷く。 私の心中を視線だけで察してくれたコトは流石と言える。 「そう言えば言ってなかったね?」 コトは事情を説明し始める。 面倒臭いことを率先して出来る彼女は、素直に偉いと思った。 「あのね、二年前の“あの戦い”の残党がこの国を襲った時、寮が半壊しちゃったじゃない?」 コトがそう言うと、あの時の事を思い出す様な表情を浮かべながら、うんうんと相槌をするミチェットたち。ミチェット以外も、コトの言葉に耳を傾けている。 「そんで、改築して、終わった後、荷物云々を運び出すのが面倒臭かったから、あの日から私はユアの部屋に転がり込んだんだ」 長い説明をご苦労様でした、コト。 みんなはコトの話を聞き終わると、納得した様子を浮かべている。 本当は納得しちゃいけない様な気もするけど、コトのこう言う処にはもう馴れちゃったからな。 ……もう今更、変には思わないよ。
/492ページ

最初のコメントを投稿しよう!

734人が本棚に入れています
本棚に追加