紅蓮の思い出

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その様子を見たルッカは、コトに尋ねる。 「コト、何か知って……」 「知らない!!」 だがコトは、ルッカの言葉を遮る。彼女の様子に皆疑問を浮かべるが、コトがあまりにも言いにくそうな顔をする為、何も聞くことが出来なかった。 「……ちょっと待てよ?俺その名前、聞いた事あるぞ?」 「それはそうだよ」 『っ!?』 何時の間にか私の部屋に繋がるドアが開いていて、突然私が話しに突っ込んだからなのか、驚いた顔をしながら皆私を見ている。コトが複雑そうな顔になっていったのが分かったのは、きっと私だけだ。 「“フレア・アルケイド”はね?……ロスの、先の“紅蓮のルビー”なんだよ」 「っえ?」 驚きの声を漏らしたのはミチェット。此処にいる人たちは勘が良い。恐らく気付いただろう。 「皆が予想している通りだよ。彼はもうこの世にはいない……私が、殺したから」
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