紅蓮の思い出

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私のその発言の意味がいまいち理解が出来なかったのか、皆は私を眉を寄せて見てくる。 「それって……」 ミチェットが何かを言おうとしていたが、私は彼女の言葉を待たずにコトの近くまで行き、抱き付いた。コトは何も言わずに私を優しく包み込んでくれる。 「コト、今週の休日、私と一緒に来て欲しいんだ」 「……何処に?」 コトは私を宥めながら質問をして来る。私はコトから離れ、真っ直ぐ彼女を見る。彼女も私を真っ直ぐ見て待っててくれている。 「私の大切だった人の大事な人の処に……」 私は彼女の手を取り、自分の額にくっ付ける。 「一緒に来て、見守って欲しい……私が“罪”から逃げない様に……私が“許し”を求めない様に」 「……うん、分かった」 私は彼女の手を解放して、コトを見た。コトは寂しそうに笑っていた。私の中にあるこの過去を彼女はきっと知っている。だから、“罪だなんて……”なんてバカな事は言っては来ない。
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