紅蓮の思い出

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「その“罪”の話しは、僕らは聞いてはいけないのかい?」 「っおい!!」 シランの言動に顔色を変えて、ロスが叫ぶ。でもシランはそんなの、聞こえていない様に私に視線を送っている。私はコトから離れ、シランに近付く。 「聞いてどうするの?」 冷めた瞳で、冷えきった声で私は彼に問う。彼はそれでも怯えず私の質問に答える。 「知りたいんだ。知って、何か力になれる事があるなら、力になりたいんだ」 私は顔をしかめる。彼の言葉は嬉しい……でも、もし“罪”を彼らが知ってしまった? 彼らは今まで通り私と接してくれるだろうか? 幻滅されてしまうのではないだろうか? それが私は怖いんだ……あんまりだ、“逃げてはいけない”のに……。 「ユア、“逃げない”んでしょ?」 何時の間にか私の手を握っていたコトが、私の心に言って来た。真剣な眼差しで。
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