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こりゃぁ、卒業するまでにちゃんとした夢を見付けないと、またミチェットが気に病む事になるね?……頑張れ、コト!!
私は心の中でコトにエールを送る。
「何の話ししてんの?」
いつの間にか私の目の前に居た青い髪の少年、ルッカが首を傾げて聞いて来た。特に隠す事でも無いので、今までのやり取りをルッカに話す。
「成程ねぇ?じゃぁ、コトは夢を意地でも見付けなくちゃいけない状況になっちゃった訳か」
ルッカは他人事みたいに口を開く。
進路の話題は他人事ではいけない気がするんだけどなぁ?
そう思った私は、ルッカに進路の事を尋ねてみる事にした。
「ルッカは進路、もう決まったの?」
「うん。俺は、昔からやってみたい事があったからね?」
「っえ!!そうなの?何何?」
「内緒!」
ルッカは私の質問を、笑顔で難無く躱す。躱された私は、一気に脱力感に襲われる。
……でも、やりたい事があるって言うのは少しだけ、羨ましいと思った。実際、私もコトと同様、やりたい事なんて全く無い。
物心ついた頃から“虹の協団”に居たし……。
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