唄の月日

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“ユア……お前は夢を持ちな?与えられた道を進むんじゃ無くて、自分で決めた道を進みな?” 「っ!!?」 「ん?どうした、ユア?」 突然驚いた顔をした私を気に掛けて、ロスが私に聞いて来る。 私はロスの言葉によってハッとして、彼の顔を見るなり彼を安心させようと思い、笑顔を送る。 「何でも無いよ」 そう言っても、ロスは首を傾げて心配そうにしている。私は折角心配してくれているロスの、その表情を見なかった事にして先程、自分の頭の中に浮かんで来た言葉を思い出す。 “俺は、強くなる為にこの道を選ば無くちゃいけなかったからさ?” 優しい声。優しい言葉……私に総てを教えてくれた、“彼”の姿が蘇る。 心の底に仕舞っておいた宝箱が、何の前触れもなく開いたのが分かった。 私は無意識に頭を押さえる。 「ユア?大丈夫?」 心配そうな声色で声を掛けて来たのはコト。
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