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だからこそ、制圧隊はことごとくやられている。
いくら力を持っていても所詮学生だしな。
「その内、執行部隊が駆り出されると思うわよ」
「めんどくせ」
「なに馬鹿言ってるのよ。たった三人で学園都市最強をほしいままにするくせに」
「お前の精密射撃でもいいじゃないか」
「私は文化系なの」
まぁ、異能力者を集める学校だからな。俺も佳奈多も特殊能力を持っている。
俺は、非実体剣を作り出す能力を持っている。これは有り体に言えば〇ーム〇ーベルを手に纏わせれるんだな。
だが能力行使は無駄に疲れるので、普段は白い刀身の刀を武器にしている。銃刀法?なにそれ食えんの?
対して佳奈多は『無機物操作』という特殊能力を持つ。これは自分が触れている無機物を無機物の中に自在に通したり、無機物を変形させる結構極悪スキルである。
しかし、弾丸を通すのが精々なので佳奈多は銃を使って正確無比かつフィールド干渉を受けない攻撃が可能なのだ。
「あんな壁を壁と言わせない技が使える癖にか」
「なんの話?」
わざとらしくシラを切る佳奈多。こいつ、人に任せる気満々だな?
「ああ、そうそうそれと」
「まだなんかあるのかよ」
佳奈多は思い出したかのように机を漁り出す。無茶苦茶だるいな…ふけてやろうか。
「はいこれ」
佳奈多が書類を見つけたようで、俺にそれを手渡してきた。これは…紙切れか?何やら書かれている。
夜空が月のペンダントで着飾る頃
我々は露天に浮かぶ
神秘なる光景を見させていただく
"GB"
なにやら無駄に凝った表現がされているが、これはまさしく
「乙女乙ってとこだな」
「なんでそうなるのよ!」
ああ…こんな謎の手紙寄越して帰って恍惚な表情を浮かべているんだな、佳奈多。
「なによその『こいつ度の過ぎた腐女子だな』的な視線は!」
「軽い冗談だ」
「えげつないわよ!」
顔を真っ赤にして、ちゃぶ台返しをしそうな佳奈多を諌める。まったく、これが何を意味しているか分かってるって。
「覗きだろ?佳奈多の裸を」
「私限定なら良いけどね」
「痴女だな」
「…殺すわよ?」
殺意に満ちた目をしていようが、俺はいっこうに放っておく。覗き云々より、問題は送り主か。
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