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「たとえ止めれなくても、俺が止めるさ」
一騎はそのまま出ていこうとする。佳奈多や他の生徒会の人間は、その様子をただだ、見送ることしか出来なかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ひゃっほぉぉぉぉいぃぃぃ!」
対してバスターズの面々は佳奈多の憂鬱を知る由もなく快進撃を続けていた。統率の取れたこの集団に、執行部隊は無惨にやられていく。
「く、くそぉ!」
執行部隊の一人が警棒を振りかぶる。ちなみに高圧電流が流れる特注製であるが、生半可な攻撃が通用するほどバスターズはやわではない。
「ハッ」
警棒を住人がハルバードで受け止める。そして、思い切り突き飛ばした。
しかし、突き飛ばして追撃をかけようとしたところを往人の周りに執行部隊の人間が集まる。
「くらえ!」
数人による一斉放電。常人ならただでは済まないだろう…そう、常人なら。
「はっ…痛くねえよ!」
痛くも痒くもない様子の往人。火傷一つつかなかった往人に、ほとんどの人間が驚愕した。
そんな連中をよそに、往人は大きくハルバードを振り回す。
「そおぉぉりゃあぁぁぁぁ!!」
うわぁぁぁぁ、という悲鳴をBGMに往人の大立ち回りが始まる。結局、ここに出た敵は往人が全て片付けた。
「やるな往人!」
「いやいや…恭介程じゃないさ」
背にキラキラを背負いながら、往人は答える。それを、裕一の影にいた日生が一蹴する。
「キモイ」
「おい往人、さめざめと泣くな。その涙はアガルタを拝んだ時に流すんだ」
「所詮覗きだけどな」
釣り目でシングルテールの天ヶ瀬日生はまったく容赦がない。本当は非常に人見知りだが、ガーディアンバスターズ連中とは普通に接することが出来た。
『恭介、聞こえるか?』
「ああ、どうした?」
別動隊である木下健太郎から通信が入る。今回は出撃前に3部隊に分ける作戦になったため、別動隊として明科清武、木下健太郎、塚本謙吾が別動していた。
『こっちはチラ見でしか見てないが、水無月がそっちに向かってるのが見えた』
「なっ!?」
恭介は計算違いに驚愕した。予想ならどこかで固定砲台役をやっている計算であるが、今回は一騎が最終ラインのため由真がフリーで動けるようになったのだ。
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