FATE1-1 湊凪温泉アタック

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「その代わり、俺は日の下では生きていけない」 俺をこんなにした誰かのおかげでな、と接合した腕を軽く回しながら往人は続ける。 「それを差し引いても、往人は強いね。いくつかもらっちゃったし」 「だが、ほとんどをわかったかのようにかわされたら凹むぞ」 「ふぅん?いかがわしい目的で攻撃しかけてる癖に?」 「うっ」 往人は言葉につまった。まさか、一語一句言葉が筒抜けとは思っても見ないだろう。 「さておき、私じゃ倒しきれないね…。私に免じて退いてくれると嬉しいな」 そうは言いながらも、臨戦体制は崩さない。往人も引く気はあまりないようだ。 「だけど、恭介がやることなんでね。俺も引くわけにはいかないのさ」 往人はハルバードを突撃の体制で構えた。対する輝夜もやれやれといった感じで応じる。 「じゃあ、私がもう一度致命傷を与えたら私の勝ち、ってのは?」 「ああ、俺はお前が動けなくなったら俺の勝ちだな」 「決まりね」 輝夜は神経を研ぎ澄ます。その瞳は、往人をしっかりと捉えていた。 往人も、輝夜をしっかりと捉えている。 「はあぁぁぁ!」 先に動いたのは輝夜だった。僅かに右へ真っすぐ駆け、脇腹を狙って切り払う。 「ちぃ!」虚を取られた往人はカウンターを取るために、輝夜の長い方の剣を受けて蹴りを叩き込む。 輝夜はそれを短い方の剣で凌ぐと、大きく飛びのいた。反動でぐらついた往人は行動に若干の遅れが出てしまう。 (今だ!) 輝夜は踏み込み、駆けるように往人の懐に飛び込む。そして長い方の剣を突き上げた。 「くっ!」 「まだまだッ!」 だが輝夜を上回る反応速度で首だけでかわした往人。かわされた輝夜は完全に無防備になる。 好機と判断した往人はハルバードを手放し、伸びきった輝夜の腕を掴んで投げ飛ばす。 「えっ…きゃあ!」 ゾンビであるため、体のリミッターがない往人が人間の女の子を投げるのは造作もない。 大きく投げ飛ばされた輝夜だったが、しっかりと受け身を取り事なきをえた。
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