FATE1-1 湊凪温泉アタック

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「オラ、がら空きだぜ!」 すかさず、アルベインがミドルキックを入れてくる。おそらく身体強化を施しているのだろう、防御したものの軽く吹っ飛ばされる。 「ぐっ―」 「終わりだ」 「残念ッ、私がいるよ」 「っ!?」 突如現れた輝夜が神威のトドメを受け止め、カウンターで神威の右足を切り付けて凌いだ。 神威を見据えたまま、俺に話し掛ける。 「なーんだ、結局攻め切れてないじゃん。どーしたのよ、部長様?」 「悪いな、今までと勝手が違っただけだ…」 俺は立ち上がりながら、再び右手に刃を形成した。 「いける?アレ」 「ああ」 輝夜はフットワークを確認しながら神威を見据える。神威やアルベインも、何か仕掛けて来ると感じたのかどことなく身構えている気がする。 「俺が先に行くから輝夜が合わせてくれ」 「りょーかい」 輝夜の肯定を聞き切る前に俺と輝夜はスタートをかける。この瞬発力にはあの二人にもついてこれまい。 「くっ!?どこ「ここだ」がぁ!」 アルベインの腕を一撃で貫く。アルベインの顔が苦痛に歪むが、俺は構わず貫いた腕を掴み神威へ投げ飛ばす。 「かはっ」 「…っ!」 アルベインを神威は片腕で受け止めるが、反動までは消し切れず態勢を崩す。そこを見計らって輝夜が乖離剣を構えた。 「な…アレは…」 「いっけぇぇぇぇぇ!」 有無を言わさない輝夜の攻撃。風の刃を纏った一撃を二人はまともに受け、大きく吹き飛ばした。 「ぐふっ…」 「ぐぁっ!」 「まだだ!」 そう叫び、俺は両手に刃を形成して飛び上がる。二人の腹をしっかり見据えた。 (…いける!) 「ミストルティン、シュート!」 両手に纏わせた一対の光波を二人の腹へ目掛けて投げつける。この行為は一番しんどい動作だが、無力化させるにはこうしかない。 ダウンを奪っている二人には難無く命中した。 「よし、沈黙を確認。後は佳奈多に報告しようか」 二人の腹からは大量に出血しているが、実はそこまで致命傷ではない。 なぜなら、この学園都市の大気にはナノマシンが散布されている。 だいたいの傷はこのナノマシンが治してくれるので、即死級の攻撃を受けない限りは大丈夫って寸法だ。 でなければ誰も何食わぬ顔で銃を乱射したりしないって。どこのテロリストだっての。
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