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とか言う恭介さんも、気を抜けば致命傷になりかねない攻撃を的確に繰り出してくる。
「一騎ッ、手ぇ出すわよ!?」
「大丈夫だ、輝夜は二人を見てろ!」
「だけど!」
「はっ、女の子の力を借りないと勝てないか?」
「てめぇ…」
鍔ぜり合いをしながら、そのような嫌みを言われたら頭に血が上りそうになる。キレさせるためとはいえ、ブチッといきそうだ。
「だがな…」
「んん?」
俺は光刃を恭介さんのサーベルに対し、垂直に持っていく。これなら…!
「おおおおおおっ!」
光刃がサーベルにめりこんでいく。恭介さんはまずいと思ったか、強引に振り払おうとした。しかし返ってサーベルを割る自体に陥る。
「無茶苦茶だな!?人の武器を壊すなんてよ!」
「そうでもしないと、貴方はとめられない!」
さらにもう片方の手に光を集め、恭介さんに対し振り上げる。
「だけど、いいのか?」
「なに!?」
俺は振り上げた手を止める。それは案の定、俺の致命的ミスになった。
「俺は素手の方が強い」
その言葉は確かに真実だった。恭介さんの脇腹へのパンチはハンマーで殴られたような衝撃だった。
「ごふっ」
あまりの衝撃に、俺は失神しそうになる。だが持ちこたえなければ死にかねない。
「そりゃ!」
追撃の掌底パンチ。これは瞬動でなんとかかわせた。
(そうだ…。あの人の能力ってなんなんだ!?)
それは永遠の謎でもあった。何度戦おうと、恭介さんの能力は全く解明できないのである。それほど、恭介さんの戦いは変化自在であった。
「おい、これ以上戦ってもお互いジリ貧だろ」
片膝をついて息を切らしかかっている俺に、そう投げ掛けてくる。
「ここは、お互いの必殺技で決着をつけないか」
「必殺技…?」
「どこのヒーローバトルよ」
俺と恭介さんの睨み合いの中、輝夜のツッコミは虚しく宙を舞ってしまう。
「恭介はそういう奴なんだよ」
「なんか子供みたいなやつね…(正直、ツッコミを回収してくれたのは助かったわ…)」
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