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向こうではよく分からないやり取りが行われていたが、まったく関係ないので無視する。
「必殺技…だと?」
「ああ。猛者たるもの、必殺技の一つや二つはあるだろ。ゲッ○ービームとかブレ○トフ○イヤーとか」
「待て、著作権的にも待て」
「じゃあグラ○ィトン○ークとかヘル○ンドヘ○ン」
「妙にマニアックだな」
「お前…分かるのか…!」
妙に感動を称えた目で見てくる恭介さん。ちなみに俺はそこまで深い知識はない。
しかし残念ながらそんな体操な技なんか持ち合わせてないぞちくしょうが。恭介さんは俺が繰り出せるものと信じて疑わないようだし。
(ならば即興か……)
さて、どんな技にしようか。ここは…そうだな、放出系の技にするか。
俺は刀を再び抜くと一文字に構える。そして刃の根元に手を添えて、切っ先まで滑らせた。
するとその軌跡を追い、ビームが刃を形成させる。
「ほお…なかなか熱い戦いになりそうだ…!」
対する恭介さんは両手に巨大な魔力弾を形成していた。
どうやら、恭介さんも魔力持ちということだろうな。
「さぁ…仕合おうぜ!」
「悪いな」
俺は恭介さんが魔力弾を投げつけるよりも速く、ビーム刃…名付けてクレッセントムーンを抜き撃った。
「ちぃ!」
恭介さんは強引に魔力弾を投げつけた。その膨大なジュールを抱えた物体を無造作に投げつけたらどうなるかは、いうまでもない。
「え、ちょ…やばいって!」
「くっ…!?」
俺のビーム刃は恭介さんの体を袈裟掛けに切り裂き、撃墜する。だがそんな事を語ってる場合じゃない!
「おい!逃げるぞ!」
「はぁ!?お前が斬ったから動けないんだが!?」
「しゃあねぇ!」
俺はアルベインらに突き刺さった槍を解除し、負傷した恭介さんを抱え上げる。いち早く輝夜も脱出したようだし、俺達も…
『ねぇ、今の戦況どうなの…?私、しばらく記憶がなかったみたいなんだけど…』
「なんでいま通信いれるんだ!」
『はぁ!?訳わかんないんだけど!?』
のこのこと通信をいれてくる佳奈多を無視し、俺達は出口へひた走る。
まぁ、風呂場の方は緊急障壁が発動するから大丈夫なはずだ。
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