FATE1-2 守護者の資格

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「とにかく、早く準備」 「はいよ」 由真に急かされ、俺は手早く着替える。 そして寮を出た廊下、銀髪で普通にハルバードなんぞを背負う馬鹿と遭遇する。 「殺すぞゴルァ!」 「物騒だな!?」 顔を合わせるなりいきなり戦斧を振り下ろしてきやがった。なにこの無法地帯!? 「待て!なんでいきなり攻撃仕掛けて来るんだ!?」 「うるせぇ!お前なんかがいるから俺達はモテないんだ!」 「とんだ言い掛かりだー!!」 「それに加えて夜を共に過ごしたなんて「熱い夜だった」ハイヌッコロース!!」 「由真ァ!!貴様謀ったな!?」 ゾンビパワーとやらを存分に振るい、神速の攻撃を繰り出してくる。 全力でかわしているのに、紙一重…これはやばい。 「ちぃ!」 俺はバランスを崩し、受け身を取る。そのまま素早く刀を抜き、応戦体制に入る。そのすぐ後に来た振り下ろしの一撃を、軽いバックステップでかわす。 ズガンッ!! 「くそっ!」 おいおい、一撃で岩板めくるかよ。 往人は舌打ちをしながら、そのまま右薙ぎに振り払う。それを俺は横に振り上げながら受け止めた。 「ぐ…!」 「ふっ…俺の300%の力をいつまでも「朝からうっさいわ、ボケェェェーッ!」ゲハァ!」 と、突如視界から黒い影が現れ、往人と共に消え去る。 支えを失ったハルバードは、同じく反発力を失った俺の刀の振り上げの力をそのまま受けて宙へ舞う。 「ギャアァァァァァァア!!!」 死ぬような致命傷を受けたかのような、往人の叫びは無視しておこう。 「まったく、往人は馬鹿だ」 そう毒づきながら立ち上がったのは恭介さんの妹、天ヶ瀬日生だ。 やたら人見知りらしいが、俺が話す分にはそこまでそれらしい仕草は見当たらない。 「もー、日生っ。いきなり走らないでよ」 後ろから追いついてきたのは片岡裕一。日生の幼なじみらしい。 ぶっちゃけて言えば特徴がないのが特徴です、と胸を張って紹介できる男だな。
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