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「では明科くん。桜井くんが答えた人物が起こした武力蜂起を答えなさい」
「んあ?」
「んあ?じゃありません。答えなさい」
「筋肉戦争」
「…あなたに聞いた先生が馬鹿でした」
教室は一瞬にして笑い声に包まれる。明科はナイス回答と勘違いしたのか、まぁまぁといったように皆を鎮めていた。
(おいおい…おかしいだろ)
そんな憂いを同じように感じている人が二人いた。
ああ、裕一と日生だ。日生に至っては冷めた目で明科を見ている。
次いで大爆笑している馬鹿が一人。
「あははははっ!明科くんナイスボケ!」
「へっ、まぁな」
「清武、褒めてないから褒めてないから」
………頭が痛くなりはじめた。
そんなこんなで授業は過ぎてゆく。いつにもなく、暇な授業であった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
で、休み時間。
「いやぁ大爆笑だね。私のツボに一直線!」
「私はもう少し捻りがほしかった」
「あーそうだね。筋肉戦争よりかは筋肉謝肉祭ぐらい…ってなんでそんな何時にも増して不機嫌なの?」
「…うっせぇ」
そりゃ自分の机を囲んでさっきのつまらないボケについて語られたら、自閉症になりかねないだろうが、輝夜。
「そうやってクールにいるのも良いけど、たまには弾けないとダメだよ?」
「弾ける場面があったか?」
「あった」
あったのか。あったのかよ由真。残念だが俺には見当たらなかったぞ。
「筋肉戦争と言ったところで、筋肉イェイイェーイって言うべきだった」
「どこの筋肉野郎だよ俺は」
「じゃあアレ?無限の筋製”アンリミデットマッスルワークス”でも発動するとか」
「弓兵でもねーよ」
つかネタを捩りすぎだ。
「やぁ、今大丈夫?」
そう言ってやってきたのは裕一だ。後ろからは日生と…明科がついて来ていた。
「おまえはついてくんなボケッ!」
「はぁ!?この筋肉で包まれた肉体は不要ですってか!?」
「こらこら、喧嘩しないの」
「馬鹿がいたから罵っただけだ」
「馬鹿馬鹿って、言った奴が馬鹿なんだぞ!」
「貴方も言った」
「ノォォォォー!」
由真の冷静なツッコミに対し、頭を抱えて唸る明科。
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