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あーらら、また蹴り飛ばされたよ。せつないな…往人。
「お、おい日生。それはあんまりじゃないか」
「うっさい」
明科の反論にも違を認めさせない。日生って意外と傍若無人なのだろうか。
「だから何も蹴り飛ばすなんてことはよ…」
「あたしに指図すんなっ、ボケェ!!(ドカッ」
「ぎゃあぁぁぁぁ!!」
ひゅーん…どさ。
「つ、ついに明科まで…」
「日生、容赦ないね…」
「フン」
すると、タイミング良くチャイムが鳴り次の授業の先生が入ってくる。
「よーッし、楽しい楽しい現国の時間だ…って明科と神前がまたいないな。天ヶ瀬、なにかやらかしたか?」
先生達の認識下ではすでに”明科と往人がいない=日生が何かした”と言う認識が拡がっているとでもいうのか…ッ!
「馬鹿がいたから蹴りました」
そんな理由が通用すると「そうか、また明科と神前が馬鹿な事をしたんだな。まぁ制裁は学校壊さない程度にな?」通じたー!!
「断る」
断るのか!喧嘩売っているのか!?
「あははっ、断るか!ならしょうがないなっ。学校の建築材が形状記憶のやつで良かったよ」
いいのかよ、そんなに日生の横暴を許していいのかよ。
そんなわけで、何事もなかったように授業は進められた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「………」
「あーあ、ついに黙っちゃったよ」
「…まぁ、仕方ない」
「全く往人は鍛え方が甘い」
「お前のせいだろ!?」
そして昼休み。二時間かけて帰ってきたらしい往人を囲んで、俺達は昼食を摂っていた。
「くそ…おかげで起き上がるのも一苦労じゃないか…」
「そんなに辛いものなの?」
「あのなぁ、ゾンビが日や聖水に弱いのは知ってるだろう?」
「そりゃあ知ってるけどさ…まぁ有り体に言えば紫外線に肌が過敏に反応するってことかな?」
輝夜は簡単に事象をまとめる。ちなみにこいつが食ってるのはチョコツイストだ。俺か?弁当だがなにか?
「そういう事だ。世の中そんなに甘かねぇよ」
そう言って往人は俺を見てきた。どうかしたのだろうか。
「…ふん」
そう言って、また往人は昼飯の幕ノ内弁当をつつきだす。一体全体なんだと言うんだ。
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