FATE1-2 守護者の資格

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あーらら、また蹴り飛ばされたよ。せつないな…往人。 「お、おい日生。それはあんまりじゃないか」 「うっさい」 明科の反論にも違を認めさせない。日生って意外と傍若無人なのだろうか。 「だから何も蹴り飛ばすなんてことはよ…」 「あたしに指図すんなっ、ボケェ!!(ドカッ」 「ぎゃあぁぁぁぁ!!」 ひゅーん…どさ。 「つ、ついに明科まで…」 「日生、容赦ないね…」 「フン」 すると、タイミング良くチャイムが鳴り次の授業の先生が入ってくる。 「よーッし、楽しい楽しい現国の時間だ…って明科と神前がまたいないな。天ヶ瀬、なにかやらかしたか?」 先生達の認識下ではすでに”明科と往人がいない=日生が何かした”と言う認識が拡がっているとでもいうのか…ッ! 「馬鹿がいたから蹴りました」 そんな理由が通用すると「そうか、また明科と神前が馬鹿な事をしたんだな。まぁ制裁は学校壊さない程度にな?」通じたー!! 「断る」 断るのか!喧嘩売っているのか!? 「あははっ、断るか!ならしょうがないなっ。学校の建築材が形状記憶のやつで良かったよ」 いいのかよ、そんなに日生の横暴を許していいのかよ。 そんなわけで、何事もなかったように授業は進められた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「………」 「あーあ、ついに黙っちゃったよ」 「…まぁ、仕方ない」 「全く往人は鍛え方が甘い」 「お前のせいだろ!?」 そして昼休み。二時間かけて帰ってきたらしい往人を囲んで、俺達は昼食を摂っていた。 「くそ…おかげで起き上がるのも一苦労じゃないか…」 「そんなに辛いものなの?」 「あのなぁ、ゾンビが日や聖水に弱いのは知ってるだろう?」 「そりゃあ知ってるけどさ…まぁ有り体に言えば紫外線に肌が過敏に反応するってことかな?」 輝夜は簡単に事象をまとめる。ちなみにこいつが食ってるのはチョコツイストだ。俺か?弁当だがなにか? 「そういう事だ。世の中そんなに甘かねぇよ」 そう言って往人は俺を見てきた。どうかしたのだろうか。 「…ふん」 そう言って、また往人は昼飯の幕ノ内弁当をつつきだす。一体全体なんだと言うんだ。
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