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そして、俺は恭介さんと肩を並べて後をついていく。女生徒とすれ違う度に振り返られるのが、やけに気になった。
「どうした?」
「いや、なんでもない。しかし、体は大丈夫か?」
「あ、ああー…一昨日のな。この学園都市では、お前もささいな傷じゃ死なないことくらい分かってるだろ?」
「だが、あくまで外傷の話だ。内部組織まで安全とは言えない」
「ははっ、心配しなくても大丈夫さ」
真面目な話では冗談や酔狂は言わない人だ、信用しても大丈夫だな。
「しかし…桜井は強いな。神威やアルベインを相手に持つ奴はいなかったのに」
「あれでもギリギリの戦いだ。結局輝夜の補佐が入ったしな」
「なに言ってるんだ、それまでは連携を凌いでいたらしいじゃないか」
どこまで筒抜けなんだ。この人に不可能はないのか。
「それを言うなら貴方だって。佳奈多の射撃技術は生半可なものではないと思うが?」
「西園寺か。確かに貫通に跳弾まで加えた攻撃は確かに驚異だったが…真面目過ぎるな」
そう言って恭介さんは屈託のない笑みを浮かべる。
さりげなく髪をかき上げる様は腐女子ならうぇwwwwものだろう。
しかし、俺は無性にイライラしていた…いや、別にイケメソ乙的な意味じゃない。
なんつーか…異様に回りくどいというか…。
とりあえず、思ったことを口に出してみた。
「貴方は…何が言いたい?」
「何が?聡明なお前なら分かるんじゃないか?」
その言葉を聞いた瞬間、刀を抜き取り恭介さんがいた場所を切り払った。
「おいおい、執行部が血気盛んだな」
「ッ!?」
俺の振るった刀は宙を裂き、恭介さんは刹那に俺の背後に回り込んでいた。
「答えろッ何が目的だ!?」
すぐさま最短距離で切り返す。しかし、気配を感知されることなく背後に回られる。
「理由もなく剣を振るう奴に答えるか?」
それはもっともな意見だ。だが…俺は煩わしいのは嫌いなんでな!
「雷・鳴・剣ッ!」
ズガアァァァァ!!
真昼まから周りの目を気にする気は皆無ですといいたげな一撃。周りに遮蔽物がないから、前よりも威力はある。
だが。
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