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だいたい、この位置にいるのも先代執行部長が個人的にウザかっただけに過ぎない。
それに執行部長なら適当に理由をつけて授業サボれるしな。
さて、執行部長の仕事までサボるのはアレなので仕方なく書類を纏めて生徒会室へ行く準備を進めた。
もうすぐ学校が終わるのに生真面目な奴と顔を合わせるのはあまり好きじゃないが、仕方ないな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
生徒会室に足早に来た俺は、ノックすら省いて生徒会室の扉を開けた。
そして纏めた書類を彼女に突き出す。
「ほら佳奈多、書類だ」
「…あなたはまともに入ることすら出来ないの?」
呆れ顔で書類を受けとったのはここの生徒会長、西園寺佳奈多だ。
黒く艶のある髪に、輝きのある瞳を持つ学校一番の美少女とも言われる女の子である。無論、生徒会長特有の正義感故に同性からは煙たがられ、異性からは憧れの視線を投げ掛けられる。
…まぁ、そんなものには興味はなさそうだが。
「なにか失礼な事を考えたかしら?」
「考えすぎだ。まだ若いのにそんなに詰めていたら損するぞ」
「あんたなんかに言われたくないわよ。それよりちゃんと纏めてるの?」
書類をパラパラめくりながら佳奈多は聞いてくる。
おま、さんざん授業サボってんのにこれすらサボると思ってるのか?
「…そうね、あなたはこういう事はちゃんとしてるわよね」
ため息を付きながら、書類をひとつひとつ真剣にめくりはじめる。俺はそれを傍目にソファに座りこんだ。そして、ちょうど沸かしてあったお茶を入れながら佳奈多に聞くべき事を問う。
「んで?最近起きてるゲリラに関してお前の妹はなんか対策を?」
「てんでだめよ。対策を打とうにも証拠というか、前兆を捉えるのに非常に苦労してる。遥も頭が痛いところよね」
「ふぅん…。んじゃこれからもしばらくでたとこを潰していくってことなんだな」
「そうね」
最近起きているゲリラというのは、勢力誇示というよりは本当に自分の欲しいものややりたいことをしているようにも見える、稚拙なものだ。
しかし、稚拙な目的にも関わらずやることは一級品、プロには及ばないものの異常に連携の取れた動きをするのだ。
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