3月~番外編

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しかし佐伯は気配に敏感で、視線にも敏感だった。 目があう回数が増えていった。 初めて話しかけられた時は、どうしようかと困った。 言葉が出ず悩む俺を、佐伯は無表情にただ見上げていた。 しばらく無言でいたが、佐伯は歩き去らずにジッと俺を待っていた。 観察されているのを感じた。 試されているような気がした。 焦り出して、ますます言葉が出なくなった。 「たまには寮に帰れ」 言って、佐伯は歩き去った。 .
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