3月~番外編

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翌朝には、ひどく不機嫌な佐伯に困った。 やり過ぎたのは否定しないが、佐伯が俺をそばに置くと決めてくれたのが嬉しかったから。 …そうだな。少しやり過ぎた。 だが佐伯も悪い。 あんな乱れた姿を見れば、止まらなくなるのは当然だ。 第一、佐伯が幸せそうに笑うのが悪い。 そうだろう? 横に立つ宗司を見下ろす。 お互い手にしている黒い筒が、やけに新鮮だった。 学園を眺めて目を細めていた宗司が、ふと満足げに笑った。 アンバランスさが無くなった、綺麗な笑みだった。 「行くか」 歩き出す宗司の横を、俺も歩く。 まっすぐ、前に向かい歩き出す。 次のステージは、…大学だな。 .
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