一章 朝倉 優輝

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 明らかに回りの見る目が痛い。  そりゃあもう突き刺さるとかそんな生ぬるいもんじゃなく、切り裂いたあとに傷口に硫酸を掛けたような、えげつない視線。 「えっと……、おはよう」 「おはよう、目が覚めたようだな朝倉。廊下にも居場所はあるぞ?」  軽く怒気を含んだ睨みを効かせてくる教師。我が担任ながら、視線だけで人が殺せそうだ。  あまりにもアウェイ感を感じるので、大人しく授業を受けようか、と思う。  すっかり忘れていたが、夢から覚めた勢いで立ったままだったのを思い出す。  それにしても、やけに現実的な夢だった。内容が、とかじゃなくて、空気……というか、雰囲気が。  なんてことを考えてると、隣の席から声をかけられた。
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