一章 朝倉 優輝

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「あんたさぁ、只でさえ成績不良なんだから、ちゃんと起きてなさいよ」  小声で俺に話し掛けてきたのは、小さい頃からの幼馴染みである、《藤坂 凜》だ。  顔もそこそこかわいくて、運動もできて、頭もいい。その上、人当たりもいいので、年上、年下、男女関係なく人気が高い。  ……が、何故か俺に対しては暴力と理不尽の権化のような存在だ。 「……なんでだろうな」 「……何か言った?」  いえいえ、なんでもございません。  下手に怒らせると手がつけられなくなるのはおれが一番知ってるからな。
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