ぜんぶ、新しく

6/10
前へ
/61ページ
次へ
「ね、綾ちゃん。今週の日曜日、新しい執事さんがくるんでしょ??」 「ええ、そうよ。確か名前は…二階堂 貴臣さん」 「貴臣…さん?変わった名前だね。」 「美琴の専属執事になる人よ」 「専属執事…えっ!!?」 「そう。専属執事。」 「ちょ、そんなの聞いてないよ?」 「だって今初めて言ったもの。優しそうな人だから、大丈夫よ。」 「でも専属執事なんて…」 「美琴、あなた今年受験生だもの。大学行って夢を見つけなきゃ。」 夢の話をする綾ちゃんはすごく生き生きしている。瞳に熱をこめて。 「夢……か。」 「美琴の夢は??」 「…素敵なお嫁さんになること。」 「まぁロマンチック」 「でしょ?それで素敵な家庭を築くの。心から大切だって想える人と。」 「大きな夢ね。叶うのよ夢は。努力すればね。」 なんでかな。 綾ちゃんにいわれると、本当にそんな気がする。 「あ、そうだ。日曜日、そのワンピース着るといいわ。オシャレてつだってあげる。」 「うん!ありがと、綾ちゃん。」
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加