ベッドイン

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【カステ・ラ】の住民が依頼を出すことはない。だから依頼は都市の外からやってくる。俺たちはギルドから仕事をもらい、依頼人の場所へ出向く。 子猫のお世話を頼んだのは、若いご夫妻だった。ごく平凡な一般家庭のマンションの一室。二十歳になったときは自分も幸せな家庭を持ちたいと思ったが、残念なことにそれは叶わず。 「もう俺29だよー、猫さんたち。どう思う?」 ソファーに座って手のひら、膝の上で子猫を遊ばせる。愛らしい子猫たち、俺も君らのような時期があったはずなんだよ?無垢な子猫たちを見ていると、ため息しか出なかった。
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