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人助けのため、オレ達が立ち上がったのはいいが・・・。
先が思いやられる。
「それでは、失礼しました。」
男は礼をして立ち去った。
「・・・オレ達の団体も、あんな真面目な奴が来る程になった。」
嬉しい限りだ。
だが、今は手放しで喜べない。
アンの死因は、真面目そうな連中に裏切られたこと。
さっきまでアンの事を思い出していただけに、複雑だ。
オレは頬杖をついた。
毎日毎日、悪人を狩って、慈善事業をする。
ただ、それだけの毎日。
何の楽しみも無い。
「どうしてこうなったんだろう。」
発端は大志との別れなんだけど、なんだかなあ。
いつまでもずるずると引きずっているのは、良くない気がする。
オレは机に突っ伏す。
でも、あの家に戻って、そこに大志がいたら・・・。
オレは逃げ出すだろう。
オレのチキン野郎。
「こんな日々が続くのか、いつまでも。」
そのうち、眠気が訪れてきた。
ここ何日も寝てなかったからな。
オレは目を閉じ、憂鬱な気分のまま、眠りに落ちた。
いい夢は見れないだろう。
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