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ここだけの話、いや、知っている人も多いのではなかろうか。
楽聖という崇高なニックネームを持っていながらも、モーツァルトはスカトロジーの趣味があり、酔っ払った勢いで「俺の尻をなめろ」という曲を作曲しているのだ。
また、それのパロディ「俺の尻をなめろ、きれいきれいにね」なんて正気の沙汰とは思えない曲も作っている。
こんな下品な歌のくせにまるで教会音楽のような美しい旋律なのだから、モーツァルトの天才っぷりには脱帽である。
それに、昔の人の天才っぷりはモーツァルトの祖国オーストリアだけではない。
日本でも面白い言葉を残した人間がいることを忘れてはならないだろう。
前述の「馬の耳に念仏」や「猫に小判」などの諺である。
この言葉を考えた人の名は後世に語り継がれていない。かわいそうだ。
だって、この言葉の裏に耳を済ませてみよう。
馬に念仏を聞かせた坊さんがいるのか?
「ナンマンダブ…どうだ、有り難いだろう?」といった人間がいたのだろうか…。
猫に「小判だよ、召し上がれ」と与えた人間がいたのだろうか。
これを考えた人間は、国籍は違えどモーツァルトと大体同世代であろう。
なぜそういえるか?
だって、それ以降ならば諺は「馬の耳にロックンロール」や「猫に一万円札」なんて言葉になっているはずだから。
こんな「最近の若いやつ」的諺だったなら、教材には昇華しなかったであろう。
名もなきあなた。僕はこんな言葉を巧みに操ったあなたを心から尊敬します。
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