黒板

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みんなに転校生を紹介するぞ。先生が言った。こんな辺鄙な土地にわざわざ引っ越して来るなんてトチ狂ってるんじゃないかと思いながら僕は先生のチョークの軌跡を体に刻み付ける。 そうさ僕は黒板さ、どこの学校もタッチパネル式のハイテク黒板になった昨今では珍しくなりつつある黒板さ。 彼女の名前は素敵だった。 子子子子子子子です。 ねこじしねねこなんて名前はそうはお目にかかれない。僕はこの少女を僕の――黒板の――中に閉じ込めることにした。 珍しいもの同士楽しく暮らそうじゃないか。
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