5人が本棚に入れています
本棚に追加
「バカバカバカァ!クーちゃんのバカァー!」
クーちゃんの真っ白な毛に泥を投げた
みるみるうちに茶色い毛に変わっていた
『ウーちゃん最低!!ウーちゃんもバカァ!』
いつしか、泥の投げ合いになっていて私もクーちゃんも負けじと投げ続けた
「クーちゃんのバカァ!!バカ……」
クーちゃんの目を見た時、私は背筋がぞっとした
クーちゃんの真っ赤な目がギラリと光った
今まで見たことがなかったクーちゃんの恐い姿
そうだ…クーちゃんは自分の真っ白な毛がとっても大好きで、汚す事を何より嫌がっていた
私はやってしまった…
「クーちゃ『ウーちゃんなんか大嫌い!もう二度と私の前に現れないで!』
クーちゃんが私に見せたこの日一番の恐い顔
私はその場を逃げ出した
―――――――――
よくよく考えれば全部私のせいだ
自分の心の中にあるものが、怒りから不安に変わっていた
「どうしよぉ…もうクーちゃんは私の事大嫌いだ…」
今更謝ってもクーちゃんは許してくれない
そう思った
ふと空を見れば太陽はいつの間にかいなくなっていた
辺りは暗い闇に包まれている
「恐い…どうしよぉ…帰れないよぉ…」
――クーちゃん…助けて……!!
いつも、クーちゃんが隣にいたからこんな暗闇はちっとも怖くなかった
改めてクーちゃんの存在がとても自分の中で大きい事がわかった
「クーちゃん…ゴメンね…ゴメンね……」
すると闇の中でがさがさと音が響いた
最初のコメントを投稿しよう!