兎の手

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「バカバカバカァ!クーちゃんのバカァー!」 クーちゃんの真っ白な毛に泥を投げた みるみるうちに茶色い毛に変わっていた 『ウーちゃん最低!!ウーちゃんもバカァ!』 いつしか、泥の投げ合いになっていて私もクーちゃんも負けじと投げ続けた 「クーちゃんのバカァ!!バカ……」 クーちゃんの目を見た時、私は背筋がぞっとした クーちゃんの真っ赤な目がギラリと光った 今まで見たことがなかったクーちゃんの恐い姿 そうだ…クーちゃんは自分の真っ白な毛がとっても大好きで、汚す事を何より嫌がっていた 私はやってしまった… 「クーちゃ『ウーちゃんなんか大嫌い!もう二度と私の前に現れないで!』 クーちゃんが私に見せたこの日一番の恐い顔 私はその場を逃げ出した ――――――――― よくよく考えれば全部私のせいだ 自分の心の中にあるものが、怒りから不安に変わっていた 「どうしよぉ…もうクーちゃんは私の事大嫌いだ…」 今更謝ってもクーちゃんは許してくれない そう思った ふと空を見れば太陽はいつの間にかいなくなっていた 辺りは暗い闇に包まれている 「恐い…どうしよぉ…帰れないよぉ…」 ――クーちゃん…助けて……!! いつも、クーちゃんが隣にいたからこんな暗闇はちっとも怖くなかった 改めてクーちゃんの存在がとても自分の中で大きい事がわかった 「クーちゃん…ゴメンね…ゴメンね……」 すると闇の中でがさがさと音が響いた
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