兎の手

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「誰…?」 おそるおそる目をこらして良く見ると 『ウーちゃん!こんな所で何やってるの!ウーちゃんのママが心配してたよ』 クーちゃんだ…私の事嫌いって言ったクーちゃんが目の前にいる…… 「クーちゃぁん……」 安心したのか、涙がポロポロ… 『ウーちゃん…帰ろ?』 クーちゃんは私の手とクーちゃんの手を繋いだ 「クーちゃん…私の事嫌いじゃないの?」 クーちゃんは私の手を引きながら私の顔を見てクスリと笑った 『私、ウーちゃんを嫌いになんかなれなかったの。嫌いって言ってゴメンね…』 クーちゃんも同じだった 私も嫌いに慣れなかったよ 月の光に照らされながら歩く しっかりと握られた手はもう離れる事はない 「ありがと………」 『えっ?何?』 「………あ・り・が・と・う!!」 end
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