8人が本棚に入れています
本棚に追加
「なっ…なんだ!」
犯人も大声を出し戸惑っているが、埃が風で辺りに広がって何が起こっているのか分からない。
「なんだ、なんだぁ!?」
「一体、何が起こっている!?」
犯人達が突然の異変に慌てふためいている。
木が割れる激しい音とともに埃の向こうから、舞よりも威勢のいい1人の青髪の少女が飛び込んで来た。
「聞こえたで! 舞の心の声! ウチが来たからにはもう安心や!!」
2人の犯人の間に渚を見つけ、その頼もしい姿を見て舞は涙がこぼれそうになる。
「遅いっ! すごく怖かったんだから!」
「しゃーないやろ! これでも全速力で来たんやで!」
余裕を見せる渚に、舞は安心感で包まれる。
「他の犯人は?」
「3人倒した!」
残りの犯人2人が渚を睨み付ける。
「生意気な事を…」
「切り刻んでやるぜェ!!」
その声を合図に犯人は2人同時に襲いかかるが、渚は攻撃を軽くジャンプして避け、大の大人2人を一発づつ撃ち込んだだけで倒してしまった。
「なんや、こいつら。戦い慣れしとらへんな」
――渚は戦い慣れしてるの?
簡単な疑問が頭を通り過ぎる。
―――――
渚に2人の縄を解いてもらい、今更ながらに警察へ連絡した。
「舞~~! 私…私っ……すっごく怖かった~~」
詩織が泣きながら舞に抱きついてくる。
「泣かないでよ……詩織……」
「うん…グスッ…た…たずけてぐれで……ありがどう……」
「うん……うん……」
鼻を啜りながら喋っているためほぼ聞き取れない。
最初のコメントを投稿しよう!