一つ目の出逢い

15/16
前へ
/25ページ
次へ
「なっ…なんだ!」 犯人も大声を出し戸惑っているが、埃が風で辺りに広がって何が起こっているのか分からない。 「なんだ、なんだぁ!?」 「一体、何が起こっている!?」 犯人達が突然の異変に慌てふためいている。 木が割れる激しい音とともに埃の向こうから、舞よりも威勢のいい1人の青髪の少女が飛び込んで来た。 「聞こえたで! 舞の心の声! ウチが来たからにはもう安心や!!」 2人の犯人の間に渚を見つけ、その頼もしい姿を見て舞は涙がこぼれそうになる。 「遅いっ! すごく怖かったんだから!」 「しゃーないやろ! これでも全速力で来たんやで!」 余裕を見せる渚に、舞は安心感で包まれる。 「他の犯人は?」 「3人倒した!」 残りの犯人2人が渚を睨み付ける。 「生意気な事を…」 「切り刻んでやるぜェ!!」 その声を合図に犯人は2人同時に襲いかかるが、渚は攻撃を軽くジャンプして避け、大の大人2人を一発づつ撃ち込んだだけで倒してしまった。 「なんや、こいつら。戦い慣れしとらへんな」 ――渚は戦い慣れしてるの? 簡単な疑問が頭を通り過ぎる。 ――――― 渚に2人の縄を解いてもらい、今更ながらに警察へ連絡した。 「舞~~! 私…私っ……すっごく怖かった~~」 詩織が泣きながら舞に抱きついてくる。 「泣かないでよ……詩織……」 「うん…グスッ…た…たずけてぐれで……ありがどう……」 「うん……うん……」 鼻を啜りながら喋っているためほぼ聞き取れない。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加