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《お前に生きる意思はあるか》 《お前に戦う意思はあるか》 ――子どもの頃からずっと見る夢。 それは明るい空間に広がる声。 けれど明るいだけで何もない。 そこには雲が流れる空も、どこまでも続く地平線も無い。 ――私はフワフワと明るい空間に浮かんでいる。 淡い黄緑色の長い髪がそこに風が吹いているかのようになびく。 ――私には何かが足りない。 生まれつき持っていた何かが。 それはワタシが持っている。 ――声と共に漆黒のスーツを着た金髪の男性が現れ出てきた。 深く被っている帽子で顔はよく見えない。 あなたは誰? 何故あなたが持っているの? キミにはまだ必要ないから。 ――ならいつ必要な時が来るの? もう間もなく…その時が来る。 風に導かれるまま、キミは進むだろう。 それが“風の運命”だ。
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