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「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながら膝に手をつき、どれくらい走ったかを軽く思い出す。
空か完全に暗くなっていない事から、自覚する程の距離は走っていない。
息の苦しみと心の苦しみを比べ、心の苦しみの深さを改めて思い知る。
その場で息を整えていると、そこに渚が追い付いて来た。
息の苦しさすら感じさせない余裕を見せて。
フットサルをしている為か?
舞がいる弓道部だと持久力がつかない。
「さっきはごめん…。お節介やったな。…あかんねんウチ、こういうの見ると、すぐ首突っ込むからなぁ…」
少し間を置いたからか、舞は落ち着きを取り戻していた。
「私もごめん……。案内してたのに……」
「ええって、ウチのせいやし。…今日はありがと。…また今度案内してくれへんかな?」
「……いいよ」
「ほんまに!? ありがとう~! じゃまた明日!」
別れの挨拶を交わし、渚は帰っていった。
――私も帰ろう。
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