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「あぁ、いつも旦那がやってて、おらは今産まれたなりの赤子が居るんでねぇ…でも、章吉の一件を解決したお二人さんに会いたくて出て来ちまったぁ」
あははと笑う女性の腕の中で、産まれてすぐの性別も分からないような赤子が眠っていた。
「あら、可愛らしい」
「名は何という?」
吉良が訪ねると女性は嬉しそうに笑みを浮かべて、
「まだなんだぁ。実はお二人さんに付けてもらおうと思ってなぁ」
「あら、そんな…私達が付けるなんて…責任重大ですね」
「いいや、この子もお二人さんみたいに綺麗で強い子に育ってほしくてなぁ。良ければお願いします。ちなみに、女子ですわぁ」
頼み込む女性に、ならばと二人は思案して、同時に口を開いた。
「実(みのり)は、どうだ」
「幸(ゆき)はどうですか?」
同時に言った二人はお互い目を合わせた。
「あら…同時でしたわね」
「俺の方が若干早かったぞ、由良」
「いやぁ、どちらも素敵なお名前だぁ…そうだぁ、実幸(みゆき)!どちらも頂きます!」
「実幸、良いですね」
「うむ、悪くないな」
眠っている赤子が起きるんじゃないかというくらい、嬉しそうにはしゃぐ女性。
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