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「是非抱いてくれよ!ほら、吉良さん!」
「あぁ、まだ首が据わっていないだろう…俺には難しい。由良、俺の代わりに抱いてやってくれ」
「じゃあ、由良さん!」
由良は赤子をそっと女性から受け取った。
「あらぁ、こうして見ると由良さんも立派なお母ぁに見える!」
「そんな…」
少し照れくさそうに笑って、由良は赤子の頭をそっと撫でてやる。
「あぁ、初出産の娘がお二人さんに名前を付けてもらって、抱かれて幸せもんやなぁ。その子、ほんの七日前に産まれたんだぁ」
「へぇ、じゃあ本当に産まれてすぐだな」
吉良も覗き込んで赤子を見る。
「さぞかし大変だったでしょう、出産は―――!」
そこで由良はハッと目を見開く。
「由良…?」
「ありゃ、由良さんどうしたぁ?」
「…」
返事もしないで由良は暫く動きを止めた。
そして、赤子をそっと女性に返し、
「兄上、今すぐ香苗さんの元へ行きましょう」
そう言って、立ち上がった。
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